平成30年度経済産業関係税制改正
まず、この「平成30年度 経済産業関係税制改正」を読んでください。
超ざっくり言うと「平成30年から法人税が安くなりますよ〜」という国の方針説明です。この資料はだいぶ要約しているので見やすいほうです。
本来はこちらの「平成 30 年度税制改正の大綱」 が正式な資料なのですが、まーわかりにくいです。そのわかりにくい資料を「これなら皆さんわかるでしょ!わかって!」という経産省の声が聞こえそうな資料が先ほどの「平成30年度 経済産業関係税制改正」ということになるのですよ。なので、この記事を読んで気になった人は読んでおくといいかもしれません。
国内外の税金事情
まずここ最近の国内外の税金事情の背景をざっくり説明しますね。ここ最近実は海外の法人税って軒並み安くなってるんですよ。この前アメリカがトランプ減税っていって話題になりましたよね。あれのおかげでホンダとかソニーとか最高益とか言ってるぐらいめちゃくちゃ法人税が下がったんですよ。今までアメリカの法人税が35%だったところ、なんと21%に下がったんです。何にもしないのに税金が14%返ってくるもんだから笑い止まらないですよねー。
そうなると「じゃあウチもアメリカを中心にやっていこうか」という企業も出てくるということになるわけです。そりゃいかん!ということで我が国日本も法人税を下げよう、ってなったわけです。今まで29.97%で「アメリカより安い!」って言っていたのがむしろ俄然日本の方が高い!になるわけですからね。それでどのぐらいになるかというと、条件付きで20%にするらしいです。
この条件付き、というのがミソで、なんか面倒臭いことになってるわけです。
「こと金に限り虚偽は一切言わぬ 出す・・・・・・!出すが・・・・・・」
条件の1つ目は「賃上げすること」。まあこれはいいことですよね。これだけで25%に減税されるんだったら是非やってください。ちなみに今年設立したしかも経営者ひとりの「株式会社オーナカ」には関係のないことでございあす、ハイ。
条件の2つ目は「IoT投資した会社はさらに減税」。資料の言葉を借りるなら「生産性向上に資するIoT投資に取り組む企業の税負担を20%まで引き下げ、国際競争に打ち勝つ環境を提供する」そうです。うん、なかなかスゴイ話ですよ。そんな斜に見なくていいですよw 多分コレ、いい話だと思うんですよ。
ま、要は「従業員の給料上げて、IoT投資したら20%まで法人税下げますよ」ということです。これはなかなか頑張りましたよね。これで給料上げない会社はないんじゃないかなー。だって法人税下がるんだったら、とりあえず給料上げるでしょ。
IoT投資?
で、じゃあその「IoT投資」とはなんぞやーと読んでいくと、注目すべきはこの資料10ページ目のこの内容で
社外データやこれまで取得したことのないデータを社内データと連携して 必要なセキュリティ対策が講じられていることを セキュリティの専門家(登録セキスペ等)が担保されつつ、投資年度から一定期間において目標が達成が見込みがあること
ふむふむ
「最低投資合計額:5,000万円」
ファーーーーww
無理無理無理ー、ウチぐらいの中小企業には関係ない話じゃーん、ハイかいさーん、って一瞬なると思うのですよ。
だがちょっと待ってほしい。
大企業には関係ある話じゃないですか。それは当然ですよね。数10億〜数100億円利益が出ている会社が法人税が5%分下がるってことは、数億円が浮くわけですから。俄然その「最低投資5000万円」かけてIoT投資をしてみよう、ってなるわけじゃないですか。
それで、その大企業は自社でそれをやると思いますか?まず無理です。5000万円を自社リソースだけで使い切れませんし、そもそもそんなことでき(自粛)です。
となると、大企業は外注するわけです。「うちの生産性を向上させるセンサーを使った仕組みを作ってくれ」と。「5000万円で」と。ババーン!
来ましたよ、皆さん!IoTバブルですよ!センサーバブルですよ!
つまりこうです。
センサーを使って
ビッグデータ化して
ちょっとセキュリティには気をつけて
生産性を向上させる
そういうことで大企業から仕事を受注できるということですね。
例えば
工場で工員の移動を検出して、無駄な作業を排除して生産性を向上させる
とか
高い技能を持った人と普通の人の動きをセンサーで取得して、ビッグデータで解析し技術の伝承をする
とか
ロボットの動きを全てセンシング。不良箇所をいち早く検出する
とか
まあ思いつくだけでもすぐにこのぐらい出ます。
ただし!
これが全部認められるとは限りません。何やら「事業者は当該取組内容に関する事業計画を作成し、主務大臣が認定」されなければいけません。
ぐぬぬ…。
とりあえず一回経済産業省に電話で相談してみます。どんなものが認められるかを聞いてみますよ。
そんなわけで続きは次回ということで!また!
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